ピア・トゥ・ピア(P2P)で商売をするなら,全然自分の知らないところで誰かが行動するのを許せなければいけない。そうでなければ,無知な訴訟を起こして笑われることになる。
ファイル共有ソフトのカザーを運営するシャーマン・ネットワークス社は,米国,バヌアツ,オランダにオフィスを置いて攻撃をかわしている。オランダではカザーに対してレコード会社が起こした裁判で,カザーのソフト配布は違法ではないという判決が出ている。
カザーが悪いことをしているという認識がそもそも間違っている,というのはいつも云っていることなのでそれで終わらすが,この,どこかにいる誰かさんは,ずっと居続け,誰も何も止められない,ということは,あちらこちらで最近話題を振りまいている問題だ。中国でのグーグルへのアクセス遮断も他のミラーサイトなどへのアクセスは遮断されずに残っていたわけだし(@ITの記事),昨日のピア・トゥ・ピア型ワームも同様だ(過去記事)。
きちんとフリーネット型で稼働するワームを流せば,攻撃を行う人間のいる場所がつかめなくなる。ファイル共有のような検索の即時性が求められるわけではないので,『攻撃を行え!』という情報の流通もまったりさせていい。それでDDos攻撃を行うのなら,情報流通の周期期間より先に攻撃日時を設定すれば問題ない。ネットワークは知っている場所・人だけで稼働しているわけぢゃない。知らない誰か,がいることをきちんと知り,その誰かが行動するのは止められないことを認識した上で,なにごとも行う必要がある。まずは,それからだ。
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